総務安全委員会では、下記の日程で視察に行って来ました。 4月16日(水) 東京都立川市:入札システム取り組みについて(電子入札) 4月17日(木) 千葉県市川市:公と民・民と民の協働のあり方について(1%支援制度・e−モニター制度・地域ポイント制度・協働事業提案制度等) 4月16日 立川市は、東京都のほぼ中央に位置し、人口は和泉市とさほど変わらない17万人強、また自衛隊の駐屯地を抱えるなど、共通した状況も伺うことができました。今回の視察目的は、現在和泉市が調査・検討を続けている新しい入札制度としての「電子入札」の取り組みについてお聞きすることでした。併せて2003年10月、入札における不正発覚、職員逮捕という事態を乗り越えての入札見直し経過についても教えていただきたいと視察に望みました。 和泉市も、2005年、葬祭業務委託不正入札による元助役逮捕、翌月には駐車場事業競争入札の不正によって当時の市長が逮捕(のちに再逮捕・辞職)されるという事態を招きました。有識者を中心とした行政改革検討委員会が設けられ、中でも入札制度の見直しは大きな課題となりました。より透明性や公平性を保つために、予定価格の公表、現場説明会の廃止、またこれまでは土木関係5億円以上・建築関係10億円以上の工事について行っていた一般競争入札を9000万以上の工事で実施、さらに昨年9月より郵便入札制度導入も始まりました。さらに、検討委員会の答申では、「電子入札」導入も明確に位置づけられました。 立川市での視察で、まず驚いたことは、「不正」に対する徹底した取り組みと対応の迅速さでした。その検証と改革は、膨大な報告書によって示されています。そして今でも立川市役所ホームページのトップページから読むことが可能になっています。2003年10月に設置された立川市入札事件再発防止調査委員会の最終的な委員数は、市職員3名、当時第2次総合計画策定市民会議に参加していた公募市民3名を含む市民6名、公認会計士・弁護士らからなる専門委員6名の15名で構成されています。事件の実態を把握し、問題点を明らかにし、何をなすべきかの検証に、市民を巻き込んで行っていたこと、事件を風化させないためにもいつでもその全容を誰もが知ることができる継続した公開は、本市がとった対応と違い、学ぶ点が多いものでした。 2004年4月「契約制度等検討委員会設置」、同年10月「公正入札調査委員会設置」、さらに11月「入札監視委員会」が設置されています。再発防止調査委員会設置から10ヵ月後には郵便入札の試行が始まり、その1年後の2005年8月には電子入札の試行が始まっています。事件発覚の検討から郵便入札まで2年余りを費やしている本市の対応と比較すれば、やはり迅速に動かれていることがわかります。 また、2004年10月「公共調達基本方針」の策定、2005年6月には24時間受付可能な「談合情報110番」の設置、2006年6月「入札及び契約手続きに係る苦情処理手続要綱」策定、同年11月「内部通報制度」施行など、契約・入札に関する要綱等整備も充実しており、その数は21にも及びます。前記4点以外にも、和泉市にはない要綱や施策が実施されており、大変参考になるものでした。 さらに、再発防止調査委員会とほぼ同時期に市議会は「入札事件原因究明と再発防止調査特別委員会」を設置し、2004年6月には「市議会議員政治倫理条例」を制定されたことなど、議会の動きにも学ぶものがありました。 立川市における電子入札は、東京電子自治共同運営協議会の「電子調達システム」を活用して行われていました。インターネットを利用して「資格審査申請」「電子入札」「入札情報閲覧」が可能となっています。都内22区、31市町村及び一部の清掃事務組合が協議会に参加し、大阪電子自治体推進協議会参加の9市と比較すれば、その数は多く、運用費用などに違いが出てくるのではないかと思いましたが、年間8,534,000円の費用は大阪とさほど変わらないものでした。 電子入札による平均落札率は、工事契約で2006年度81.2%となっており、5年前と比較すれば11.1%下がっています。また委託契約で見ると2007年度89.5%で、同様に5年前と比較すれば7.7%下がっているとのことでした。最低価格の2/3を下回らないことを条件としながらも、電子入札導入は確実に落札率を下げていることがわかりました。しかし担当者の説明によると、このところ落札価格の下げ止まりが見られるとのことでした。 電子入札の導入は、段階的に行われ、2005年工事契約、2006年委託契約、2008年(今年度)には物品購入契約にも拡大され、全面的移行を図っていく計画となっていました。このような導入を行う背景には、庁内の理解と共通した認識はもちろんのこと、業者の充分な理解が不可欠となってきます。市内業者の落札は、2005年度123件中98、2006年度105件中80、2007年度117件中83となっており、懸念される市内業者を締め出すような結果は見られませんでした。 電子入札によって、入札に参加する事業者数は増え、より競争性が高まっています。また、設計図書の受け渡しについても第3者による送付など、落札まで行政と業者が顔を会わすことがないシステムは、不正の土壌を限りなく、なくすことに繋がるだろうと思いました。 和泉市では、現在「電子入札」導入について検討が進められています。立川市のお話を伺いながら、公正で公明な入札を実施していくためにも可能な限り早い時期での導入が求められると思いました。しかしながら業者の理解や協力を得るにあたっては、地域性の違いなどを考慮して丁寧に取組んでいく必要があるでしょう。また現在の協議会システムでは、総合評価方式を取り入れた電子入札はできない状況となっています。こうした点を含めながら和泉市として、信頼できる市政を示す一つの方法として、明確に説明できる入札制度のあり方をさらに模索し実施する責務を果たすことができるよう、提言等行っていきたいと思います。 4月17日 和泉市では昨年度より、「自治基本条例」(仮称)制定に向けて取り組みを行っています。自治体の「憲法」とも言われ、市政の在り方の基本を示すものです。市民が主役のまちづくりを公と民が互いに対等で協働で創りあげるための土台になります。また、条例制定予定の今年度は『協働元年』として位置づけられています。「市民と行政の協働」「市民力」など理念としてその必要性は共有されようとしていますが、この理念を誰にもわかりやすいものとして、どのように具現化していくかは大きなテーマともなっています。そこで和泉市にはない具体的な取り組みをされている市川市(千葉県)を尋ね、伺ってきました。 1%支援制度収めた市民税の1%で市民活動団体を支援する制度ですが、その使い方の決定権までも市民が持つという方法で実践されています。2005年度に全国初の試みとして始まったこの制度の詳細は、大変参考になるものでした。 自分の納めている市民税の1%分を、支援を求める団体の中から自分が支援したい団体(3団体まで)に使ってもらう内容となっています。つまり個人の納めた税金の一部の使い方を自分で決めることができるのです。当然のことながら、この制度によって税に対する関心も高まってくるだろうと思います。 昨年度の支援対象団体は85あり、福祉・医療・教育・子ども・環境などさまざまな活動をしている団体が登録されています。団体は事業費の1/2を上限として受け取ることができ、仮に1/2を超える支援があった場合は、「市民活動団体支援基金」に積み立てられることになっています。団体登録要件は@市内に事務所を有し、市内で活動していること A定款や規約など会の決まりがあること B1年以上の継続した事業活動をしていること C公の秩序や善良の風俗を害する活動でないこと とされています。 ちなみに、今年度は、1月・団体応募受付、3月・支援対象団体決定、6月・『1%支援制度』広報特別号発行と市民による支援したい団体の届出、7月・交付金額決定というスケジュールとなっています。 しかし、これでは納税をしている人だけしか参加することができません。そこで市川市は納税者でなくても参加できる仕組みを取り入れ、市民全体の制度として実践をされていました。例えば16歳以上なら参加可能な「e−モニター制度」や、誰でも参加できる「エコボカード」、これら2つのポイントを使用して1%支援ができるようになっています。非常にユニークで有効な方法だと思いました。 e−モニター制度会員制のモニター制度で、パソコンと携帯電話で参加できるようになっています。2005年9月よりモニター募集が始まり、2008年3月での参加者数は3,339人となっていました。30代・40代の参加が多いのですが、10代から80代以上まで各世代の参加が見られ、全体として女性の参加が多い様子がうかがえました。 図書館祝日開館や宅配サービス、動植物園でのレストランメニューやトイレ改修などモニター制度によって実践されることになったようです。また事業の優先度、計画、審議会、懇談会、国や県への要望事項などリアルタイムにアンケートを実施することができ、市民の声をより多く聴く手段として活用されています。これまでに行ったアンケート回数は66回で、平均回答率は61・9%と高いものでした。 2006年10月には、ポイントと交換できるようになり、たまったポイントを使って、市の施設(市民プール・東山魁夷記念館・動植物園など)の利用やマスコット人形など景品と交換することができるようになっています。また2007年4月より、ポイントで1%支援制度にも参加できるようになっています。 エコボカードエコロジーとボランティアからなる「エコボ」は、2006年11月よりスタートしています。市が指定するボランティア活動や講座への参加あるいは自治会や市民団体が進める地域清掃活動へ参加をすればエコボカードにポイントがたまる仕組みとなっています。さらに市内7箇所に設置されているアルミ缶回収機に入れることによってもポイントがつくようになっています。 ポイントの使い方は、e−モニター制度のポイント同様、市施設の利用や1%支援制度へと反映させることができるようになっています。 協働事業提案制度市民が自分たちのできることを市に提案して、市との協働事業として実施していく制度です。子育て支援や安全パトロールなど和泉市でも実行されているものもありましたが、中には健康マージャン市民交流大会などユニークな取り組みも協働事業として行われています。これらには助成金はつきませんが、委託事業となったものもあるようでした。 市川市の取り組みは、制度の一つ一つが互いに連携を取り合いながら日常の生活の中に公民協働が位置づけられているような気がしました。市民が市民力を育てること、行政が積極的な情報公開を行いより開かれたものになることを通して公民協働に向けた意識的な取り組みはとても重要です。と同時に、日々の暮らしが市政とのつながりを自然に深くしていくものとして、市川市の視察は多くの示唆をいただいたような気がしました。なんでも3期目となる市長の意向が強いものだったとお聞きしましたが、和泉市でも公民行動の具現化として実践できることがたくさんあるように思います。 |
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